インプラント治療を検討する際に気になるのが費用相場です。
1本あたりの相場は30万円〜40万円程度のため、費用が高いと感じる人もいるでしょう。
本記事では、インプラント治療の相場や高額である理由などを解説します。
インプラント治療を検討している人が活用できる制度やローンについても解説しますので、ぜひ活用してみてください。
インプラント1本あたりの費用相場
近年、注目されているインプラント治療を日本で広告可能な歯科専門領域は、口腔外科・歯周病・歯科麻酔・小児歯科・歯科放射線・布袋歯科の6つです。
日本歯科専門医機構は、上記に加え歯科保存・矯正歯科・インプラント歯科・総合歯科の4つでも広告可能にすることを検討しています。
また、インプラント治療は自費診療であるため歯科医院によって価格はさまざま。どの歯を何本治療するかによっても実際にかかる費用は異なります。
そこで、ここからはインプラントの1本あたりの費用相場を以下の3種類に分けて解説します。
- 前歯1本あたり
- 奥歯1本あたり
- 全部の歯
前歯1本あたり
前歯を1本インプラントで治療する場合の費用相場は以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
検査・診察料 | 15,000〜50,000円 |
インプラントの手術費用 | 150,000〜350,000円 |
人工歯の費用 | 50,000〜180,000円 |
合計 | 300,000〜400,000円 |
インプラント治療全体の費用相場は、30万〜40万円程度かかります。前歯は口元の見た目に大きな影響を与える箇所です。そのため、制作費が他の箇所より高くなる傾向があります。
また、前歯のインプラント治療には高度な技術が求められるため、歯科医師の技量によって質が変わるとされています。
奥歯1本あたり
奥歯を1本インプラントで治療する場合の費用相場は以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
検査・診察料 | 15,000〜50,000円 |
インプラントの手術費用 | 150,000〜350,000円 |
人工歯の費用 | 50,000〜180,000円 |
合計 | 300,000〜400,000円 |
インプラント治療全体の費用相場は、前歯同様に30万〜40万円程度かかります。また、歯科医院が使用するインプラントのメーカーなどによって費用相場は変動します。
気になる人は、歯科医院に見積もりを依頼すると良いでしょう。
全部の歯
すべての歯を失った場合にもインプラントは利用可能です。
All-on-4(オールオンフォー)と呼ばれる治療法を選ぶことですべての歯をインプラントにすることができ、その費用相場は以下の通りです。(上下いずれかの顎を治療した場合の費用相場)
項目 | 費用相場 |
---|---|
検査・診察料 | 15,000〜50,000円 |
インプラントの手術費用 | 1,200,000〜1,800,000円 |
人工歯の費用 | 60,000〜1,800,000円 |
合計 | 2,000,000〜2,500,000円 |
上下の顎の歯を両方治療した場合は、400万〜500万円程度かかるでしょう。インプラントを埋め込む本数を最小限に抑えつつ、手術時間の短縮も期待できます。そのため、通常のインプラント治療費用より比較的安く済むでしょう。
インプラント手術の詳細
インプラント手術には、さまざまな工程が含まれます。おもな詳細は、以下の通りです。
項目 | かかる費用 |
---|---|
CT検査 | 骨格などの情報を得て、患者さんに合った施術の計画を練るための、CTスキャン代 |
インプラント埋入手術 | 医師の技術料・器具の使用料・インプラント体・アバットメント(支台)代などを含む |
上部構造物 | 人工歯を作る費用 |
骨造成 | 自家骨採取・サイナスリフト(骨補填材を埋入して骨再生を行う方法)・GBR(骨の再生を促す方法)代などを含む |
静脈鎮静法 | 麻酔代 |
メンテナンス | インプラントを長持ちさせるためのメンテナンス代 |
インプラントの費用相場が高額な理由
インプラントの費用相場が高額であることには以下の理由が関係しています。
- 設備投資に費用がかかるため
- インプラント自体が高価であるため
インプラント治療には高度な技術と、衛生面に配慮された環境が必要です。そのため、設備投資に費用がかかりやすくなります。
また、機能性・安全性を考慮するために、高価な素材を使用しなければなりません。
設備投資に費用がかかるため
インプラント治療を行う場合、治療の確実性や安全性を確保するために設備投資が必要です。特に、感染予防や滅菌のための設備投資は、衛生面の観点から必要不可欠になります。たとえば、滅菌設備やメス・手袋、手術室の維持管理費などがそれらに該当します。
また、インプラント治療は、歯科治療の中でも高度な技術が求められるため、インプラント手術専用の機材や歯科用CTなどが必要です。
設備投資にかかった費用は、治療費に反映されます。
そして施設によって備わっている設備は歯科医院によって異なるため、インプラント治療にかかる費用も歯科医院によって変わってきます。
インプラント自体が高価であるため
インプラントの素材は、メーカーによってさまざまです。
素材の耐久性や人体への適合性を重視する場合、高品質な素材を選ぶ必要があるため、高価になる傾向があります。
インプラントは、人体の骨に埋め込むものであるため金属アレルギーの人でも利用できるものでなければなりません。
そのため、チタン製を用いることが多く、高価になりやすい傾向があります。
インプラント治療時は医療費控除制度を活用しよう
インプラント治療のように、審美目的や機能性を求めるための治療法は自費診療扱いになる場合が多いです。治療範囲によっては、費用負担が多くなることがあるでしょう。
このような場合におすすめなのが、医療費控除制度を活用することです。
医療費控除制度とは、1年間に支払った医療費が10万円を超える場合に、税金の還付を受けられる制度です。
所得額や治療費によって還付額が変動しますが、インプラントの費用相場は1本あたり30万〜40万円程度のため、制度を利用することで数万円の還付が受けられる可能性があります。
医療費控除の申請は、確定申告の際に行います。
普段、確定申告をしないという方は、忘れずに手続きしましょう。
また、最大で過去5年間まで遡って、申請することが可能です。
過去にインプラント治療を受けた記憶がある方は、一度確認してみるとよいでしょう。
インプラント治療時に使えるデンタルローン
デンタルローンとは、矯正治療やインプラント治療などの歯科治療を行う際に活用できるローンです。
金融機関が歯科治療で発生する費用を立て替えて歯科医院に支払い、患者さんはその元本と利息を金融機関に分割払いで返済します。
クレジットカードの分割払いやカードローンに比べ、分割手数料が年間5%前後と安く済むことが多いのが特徴です。
ただし、歯科医院によってはデンタルローンを導入していない施設もあるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
インプラント1本あたりの費用相場は、30万〜40万円程度です。インプラント治療には、高度な技術と衛生面に配慮された環境が必要であり、設備投資に費用がかかることから、このように高額な価格設定となっています。
費用面でお困りの人は、医療費控除制度やデンタルローンの活用がおすすめです。積極的に活用し、自身が目指す口内環境を作っていきましょう。