歯が欠けた場合、対処に困り、放置してしまう方がいるのではないでしょうか。歯が欠けた場合は、速やかに歯科医院を受診する必要があります。

歯が欠けた程度に応じて、適切な治療を受けなければ、欠けた部分から虫歯菌が侵入し、痛みなどが発生します。

歯が欠けた時点で速やかに歯科医院を受診し、歯のトラブルに発展しないよう注意しましょう。

歯が欠けた原因は?

日々の生活を送る上で歯が欠けた場合は、以下の原因が考えられます。

  • 外傷
  • 虫歯
  • 酸蝕歯
  • 歯ぎしり・食いしばり

歯が欠ける原因の多くは外傷ですが、虫歯菌が繁殖し、歯が脆くなることで欠ける場合もあります。

外傷

交通事故やスポーツなどで転倒し、強い衝撃を受けた場合、歯が欠ける原因になります。また、歯が割れたり、脱臼したりすることもあるでしょう。

また、激しい外傷を負った場合、口や舌なども傷ついている場合があります。

虫歯

虫歯が進行すると、歯の外側であるエナメル質は残っていても、中の象牙質は空洞になる場合があります。

この場合、気づかないうちに歯が脆くなり、食べ物を噛むだけで歯が欠けるおそれがあります。

酸蝕歯

酸蝕歯とは、歯が酸性の状態に傾いている状態です。レモンやオレンジジュースなどの酸性の食べ物・飲み物を食べたり飲んだりすると、口内が酸性になりやすくなります。

酸蝕歯になると、歯の表面であるエナメル質が溶かされ、歯が脆くなります。そのため、歯ぎしりや食いしばりなどで、歯が削られてしまいます

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりをすると、体重の2〜3倍の力が歯にかかるとされています。そのため、歯が脆くなっている状態で歯ぎしりや食いしばりが起こると、歯が欠けてしまいます。

歯が欠けた状態を放置するとどうなる?

歯が欠けた後放置した後に起こる事象

歯が欠けた状態が続くと、エナメル質の下にある象牙質が虫歯菌の影響を受け、虫歯のリスクが高まります。

象牙質は、熱や振動を神経まで伝達しやすい特徴があるため、歯磨きや食事などをしているときに痛みを感じる場合があります。

虫歯がどんどん進行し、神経に到達する原因になることもあるため、早急に治療しなければなりません。

歯が欠けた状態を治療する方法

歯が欠けたときの治療方法

歯が欠けた状態を治療する方法は、以下の5つのケースに分かれます。

  • 歯が小さく欠けた場合
  • 歯が中ぐらいに欠けた場合
  • 歯が大きく欠けた場合
  • 歯が支える骨の下まで破折した場合
  • 歯が抜けた場合

歯の欠け具合によって、治療範囲や治療方法は異なります。歯が欠けた際は歯科医師に相談しましょう。

歯が小さく欠けた場合

歯が小さく欠けた場合は、レジンと呼ばれるプラスチックの白い詰め物で治療できます。レジンの場合、本来の歯と同じ色に調整できるため、馴染みやすい特徴があります。

強度は金属やセラミックに比べると劣るものの、欠けた部分だけに対して詰めるので、大きな問題が起きることは少ないでしょう。

歯が中ぐらいに欠けた場合

歯が中ぐらいに欠け場合、金属のフレームの上にプラスチックを盛る被せ物治療ですと保険診療で対応できます。

自由診療であれば、オールセラミックの被せ物で治療可能です。セラミックは強度や耐久性に優れており、審美性も良いため、違和感なく仕上がります。

歯が大きく欠けた場合

歯が大きく欠けた場合、神経が残っていれば、全体に冠を被せて治療できます。一方で、歯に穴が空いたり、欠けたりしている場合は、神経を取り除き、消毒して薬を詰める根管治療が必要です。根管治療後は、土台を入れて被せ物をします。

歯が支える骨より下まで破折した場合

歯が支える骨より下まで破折した場合は、根管治療が必要になるケースがほとんどです。また、場合によっては抜歯をしなければならないケースもあるでしょう。

抜歯後は、入れ歯やインプラント治療などをして噛み合わせを安定させる必要があります。抜歯箇所の両隣に歯がある場合は、ブリッジ治療もできます。

歯が抜けた場合

歯が完全に抜けた場合、再植できるケースであれば抜けた歯をそのまま戻します。一方で、再植ができない場合は、ブリッジやインプラントなどの方法で欠けた部分をサポートします。

歯が欠けたときに注意すべきこと

歯が欠けた時の注意点

歯が欠けた際は、以下の点に注意しておきましょう。

  • 抜けた歯を保存する
  • 欠けた箇所を触らない
  • 痛みがなくてもすぐに歯科医院に行く
  • 神経まで損傷しても諦めない

歯が欠けた場合は、欠けた箇所に触れず、速やかに歯科医院を受診しましょう。

抜けた歯を保存する

歯が抜けたからといって諦める必要はありません。歯を清潔に保ち、歯科医院に持っていけば、再植できる場合があります。歯を保存する際は、保存液(無い場合は牛乳、生理食塩水で代用)につけましょう。

歯が抜けた場合は、迷わず歯科医院を受診してください。

欠けた箇所を触らない

欠けた箇所を舌や指で触ると、歯にダメージが加わり、痛みが増す場合があります。また、感染のリスクが高まるため、欠けた場所には触れないようにしましょう。

痛みがなくてもすぐに歯科医院に行く

歯が欠けても痛みがなければ歯科医院に行かなくて良いわけではありません。欠けた部分から虫歯菌が侵入し、虫歯がどんどん進行していくおそれがあります。

歯が欠けたら、速やかに歯科医院を受診しましょう。

神経まで損傷しても諦めない

歯が大きく割れて神経が傷ついたり、欠けた際の治療で神経を抜いたりしても、歯髄(しずい)再生治療であれば歯髄(歯の神経)を再生できます。

親知らずなどの不用歯から歯髄幹細胞を採取し、治療対象となる歯髄に移植することで、歯髄が再生します。

神経まで虫歯菌に侵された方は、歯髄再生治療を検討してみてはいかがでしょうか。

下記のページでは、歯髄再生治療について分かりやすく漫画で解説しておりますので、ぜひご一読ください。

マンガ 第一話 ~歯髄再生治療編~ » 抜ける歯で未来を彩る|アエラスバイオ株式会社

歯が欠けた場合に関するよくある質問

歯が欠けた場合によくある質問

歯が欠けた場合によくある質問は以下のとおりです。

  • 欠けた歯は自然に再生しますか?
  • 歯が折れて出血した場合どうしたら良いですか?
  • 欠けた歯を放置するとどうなりますか?

歯が欠けたり折れたりした場合は、速やかに歯科医院を受診し、適切に対処してもらいましょう。

欠けた歯は自然に再生しますか?

歯が自然に生えてくることはありません。歯が欠けた場合は速やかに歯科医院を受診してください。

歯が折れて出血した場合どうしたら良いですか?

ティッシュやガーゼで止血し、欠けた歯を保管しておきましょう。そのまま速やかに歯科医院を受診してください。

欠けた歯を放置するとどうなりますか?

エナメル質の下にある象牙質がむき出しになり、虫歯菌が感染しやすくなるおそれがあります。虫歯になる前に速やかに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

歯が欠ける原因は外傷や虫歯、歯ぎしり・食いしばりなどが関係しています。歯が欠けた状態を放置すると、虫歯菌が侵入し、神経に到達するおそれがあります。

もし、歯が欠けた場合は迷わず歯科医院を受診しましょう。歯が抜け落ちた場合でも、再植できる可能性はあります。

また、歯髄再生治療をおこなえば、歯の神経を再生させることができ、歯の機能を蘇らせることが可能です。

たとえ、ほんの少し歯が欠けた場合でも、速やかに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう