「乳歯っていつ生え変わる?そもそもどんな役割があるの?」
お子様を持つ方の中には、このように疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、乳歯の役割や生え変わり時期、生え変わるタイミングで注意すべきことを解説します。
お子様の乳歯がトラブルなくきれいに生え変わるために、歯磨きや口腔ケアを徹底しておきましょう。

乳歯の役割

乳歯の役割

乳歯は、子供が成長する上で必要な役割を担っています。おもな役割は、以下のとおりです。

  • 噛む
  • 発音
  • 顎の発育をサポートする
  • 永久歯を誘導する

乳歯は、噛むだけでなく、発音や顎の発育をサポートします。また、永久歯を適切な位置へ誘導してくれるため、なくてはならない存在です。

噛む

食べ物を噛み切ったり、噛み砕いたりすることで、栄養素を効率的に吸収できるようになります。

発音

乳歯があることで正しい舌の位置を覚えることができ、言葉を正しく発音できるようになります。

顎の発育をサポートする

乳歯があることで適切に食べ物を噛むことができるようになり、顎の発達を促します。顎が発達することで、顔立ちが整いやすくなるでしょう。

永久歯を誘導する

乳歯は、永久歯が生える際の目印になり、正しい位置に生えるように導いてくれます。歯並びを適切にするために欠かせない存在です。

乳歯の名称と生え変わる時期・順番

乳歯の名称と生え変わる順番

乳歯ごとの生え変わる時期・順番を解説します。お子様の乳歯の状態を見ながら、だいたいの時期や順番を把握しておきましょう。

乳歯が生え変わる時期

乳歯が生え変わる時期の目安は、以下のとおりです。場合によっては、2本同時に抜けることもあります。

歯の名称(前歯から数えた番数)生える時期の目安
上の歯乳中切歯(1番目)7~8歳ごろ
乳側切歯(2番目)8~9歳ごろ
乳犬歯(3番目)11~12歳ごろ
第一乳臼歯(4番目)9~11歳ごろ
第二乳臼歯(5番目)9~12歳ごろ
下の歯





乳中切歯(1番目)6~7歳ごろ
乳側切歯(2番目)7~8歳ごろ
乳犬歯(3番目)9~11歳ごろ
第一乳臼歯(4番目)10~12歳ごろ
第二乳臼歯(5番目)11~13歳ごろ

乳歯が生え変わる順番

乳歯の多くは、前歯から奥歯にかけて抜けていく場合がほとんどです。上の歯の乳犬歯~第二大臼歯は、同じ時期に抜けることが多いでしょう。

歯の名前(前歯から数えた番数)抜ける順番(上の歯)
抜ける順番(下の歯)
乳中切歯(1番目)11
乳側切歯(2番目)22
乳犬歯(3番目)33
第一乳臼歯(4番目)34
第二乳臼歯(5番目)35

乳歯が生え変わる際に注意すべきこと

乳歯が生え変わる際には、以下のことを注意しなければなりません。

  • 生え変わる時期は個人差がある
  • 乳歯が抜けないことがある
  • 生え変わる時期は虫歯になりやすい
  • 生え方に注意する

乳歯の生え変わる時期には個人差があるため、もし生え変わりが遅くなっても心配する必要がありません。

しかし、生え方に問題がある場合、そのまま放置するとトラブルになるおそれがあるため、速やかに歯医者を受診する必要があります。

生え変わる時期は個人差がある

乳歯の場合、一般的には2〜3歳ごろまでに生え揃い、5〜6歳ごろに永久歯への生え変わりが始まります。12歳を迎えるころには、すべての乳歯が生え変わっているでしょう。

とはいえ、乳歯の生え変わるスピードは個人差があり、お子様によっては一般的な時期と1年以上ずれが生じるケースもあります。
なかなか乳歯が生え変わらず、不安に思う場合は、歯医者に相談してください。

乳歯が抜けないことがある

乳歯がなかなか抜けず、食事や歯磨きに支障が出る場合があります。日常生活に支障がある場合は、歯医者に1度診てもらうことをおすすめします。
乳歯がぐらつき、抜けそうな場合は、そのまま自然に抜けるのを待ちましょう。

生え変わる時期は虫歯になりやすい

乳歯は、永久歯に比べて酸に弱いため、虫歯になりやすいとされています。虫歯になると、永久歯よりも早いスピードで進行するのが特徴です。

乳歯の虫歯を放置すると、顎が十分に発達せず、歯並びにも影響が出るおそれがあります。ブラッシングを丁寧におこない、虫歯予防を徹底することが大切です。

さらに、虫歯が進行してしまうと、歯の神経(歯髄)を失ってしまうことも起こりかねません。

乳歯から生え変わった永久歯は2~3年ほどで根が伸びて先が閉じ、この根の成長時期の永久歯を「幼若永久歯」といいます。幼若永久歯の時期に、虫歯や事故などの外傷により歯の神経(歯髄)を失ってしまうと、歯の根の成長が止まってしまいます。

歯の神経(歯髄)を失うと、根が短かったり、薄かったりと歯を支える力が弱い歯になりかねません。歯髄を失った幼若永久歯は「根未完成歯」とも呼ばれ、そのままでは、根が割れやすくなったりして歯の寿命が短くなり、不便な思いを一生することになります。

最近では、歯の神経を再生する歯髄再生治療の登場により、神経を失っても健康な歯を取り戻すことができるようになりました。この治療には、親知らずや矯正治療で抜く歯などの不用歯から細胞を採取する必要がありますが、生え変わった乳歯を抜く際でも採取が可能です。

歯髄再生治療の詳細は、下記の記事をご覧ください。

歯髄再生治療とは?メリットやデメリットを解説します | アエラスバイオコラムサイト (aerasbio.co.jp)

生え方に注意する

永久歯が横・裏側から生えてくる場合、歯茎が腫れたり、痛んだりすることがあります。また、乳歯との間に隙間ができ、そこから虫歯菌が繁殖して虫歯になるおそれもあるでしょう。
生え方に違和感がある場合は、速やかに歯医者を受診してください。

乳歯が生え変わる時期にやっておくべきこと

乳歯は、永久歯に比べて虫歯のリスクが高く、さまざまなトラブルが起こりがちです。乳歯が生え変わるタイミングがきたら、以下のことを徹底しておきましょう。

  • 歯磨きを徹底する
  • フッ素を活用する
  • 必要に応じて矯正する
  • 抜けた乳歯をバンクに保管する

永久歯が生え始める前に歯磨きを徹底したり、フッ素を塗ったりすることで、健康的な口内環境が維持できます。

また、必要に応じて歯列矯正やバンク保管を利用することもおすすめです。

歯磨きを徹底する

乳歯から永久歯へ生え変わるタイミングでは、それぞれが混在するため、歯並びが悪く歯磨きがしにくくなります。磨き残しが発生すると、歯垢や歯石が溜まり、虫歯のリスクが高まります。

お子様の場合、1人で十分に歯を磨くことが難しい場合があるため、仕上げ磨きなどをしてサポートしましょう。
虫歯の原因となる磨き残しが起きないよう、丁寧にブラッシングすることが大切です。

フッ素を活用する

フッ素を活用することで、口内細菌の活動が抑えられ、再石灰化が促進されて歯質が強化できます。そのため、虫歯予防につながります。

乳歯の場合、永久歯に比べてフッ素を取り込みやすいため、子供のときからフッ素を活用すると虫歯予防効果が得られやすいです。

フッ素を含む歯磨きで歯を磨いたり、歯医者でフッ素を塗ってもらったりして虫歯予防をしておきましょう。

必要に応じて矯正する

乳歯が永久歯に生え変わる際、歯並びが悪いまま成長すると、顎が発達して歯並びを整えることが難しくなるケースがあります。

一方で、顎の成長が落ち着く前から矯正を始めると、顎の成長に合わせて治療でき、歯並びが整えやすくなります。

もし、乳歯の段階で歯並びが気になる場合は、歯医者に相談して歯列矯正を検討してみてください。

抜けた乳歯をバンクに保管する

アエラスバイオでは、生え変わり時期の乳歯をバンク保管し、歯髄再生治療が必要になったタイミングで活用するサービスがあります。

乳歯から歯髄幹細胞を培養し、治療に必要な歯に移植することで、歯髄を再生することが可能です。

乳歯に含まれる歯髄幹細胞は、永久歯に比べて増殖能力に長けており、多くの細胞を作り出すと考えられています。

抜けた乳歯を未来の自分への贈り物として、バンク保管を検討してみてはいかがでしょうか。
バンク保管の詳細に関しては下記をご覧ください。

バンク保管サービスについて » 抜ける歯で未来を彩る|アエラスバイオ株式会社 (aerasbio.co.jp)

よくある質問

よくある質問

子育てをしていると、乳歯に関する疑問が出てくるかもしれません。そこで、乳歯に関してよくある質問をまとめました。

  • 乳歯は虫歯になりやすい?
  • 男女で乳歯の生え変わるタイミングは異なりますか?
  • 赤ちゃんが虫歯にならないために気をつけるべきことは?

乳歯は虫歯になりやすいため、日頃の口腔ケアを徹底することが大切です。乳歯の生え変わるタイミングは、お子様によって異なります。

乳歯が虫歯にならないようにするためには、口移しなどをしないよう、ご家族が意識して取り組むことが必要です。

乳歯は虫歯になりやすい?

乳歯は永久歯に比べて歯質がやわらかく、虫歯のリスクが高くなります。虫歯を防ぐためには、日頃の歯磨きや口腔ケアを徹底することが大切です。

男女で乳歯の生え変わるタイミングは異なりますか?

男女で違いが出ることはありませんが、生え変わるタイミングは個人によって異なります。詳細は「乳歯が生え変わる時期」をご覧ください。

赤ちゃんが虫歯にならないために気をつけるべきことは?

特に1〜3歳ごろまでの赤ちゃんの場合、周りの大人から虫歯菌が移りやすくなります。大人が使ったスプーンで食べ物をあげたり、キスをしたりすると虫歯になるリスクが高まるため、注意しておきましょう。

まとめ

乳歯は、子供が成長する上で必要な役割を担っています。会話をしたり、食事をしたりすることはもちろん、正しい歯並びにするためのサポートもしてくれるのが特徴です。

乳歯の生え変わる時期には個人差がありますが、おおよそのタイミングを把握しておくことで、トラブルを防止しやすくなります。

生え変わりで乳歯を抜歯する際は、お子様の将来に備えて、歯を専門的に保存できる数少ないチャンスですので、バンク保管を検討するのも大事です。

乳歯は永久歯に比べて虫歯のリスクが高いため、日頃の歯磨きや口腔ケアを徹底し、予防に努めましょう。