再生医療の分野で注目を集めている「歯髄幹細胞」。
歯髄幹細胞の将来性について、医療従事者からのメッセージをご紹介します。
赤坂さくら歯科クリニック
土黒さくら 先生
活用用途の拡大が期待される歯髄幹細胞
近年、私たちの身体に存在する様々な幹細胞を、疾患の治療や美容医療に用いるケースが増えており、今後さらに普及していくことが予想されます。
中でも歯髄幹細胞は、神経・血管再生能力や増殖能力や高さ、採取時の身体への負担の少なさが注目されている幹細胞です。
活用用途の拡大が期待される歯髄幹細胞(歯髄組織)を若いうちに保管しておくことで、将来の自分や家族の生活が、より良いものになるかもしれません。
バンク保管サービスのさらなる発展・拡大に期待しています。
歯のクリニック東京
吉橋典章 先生
「抜く歯は保管するもの」という時代
2020年に歯髄幹細胞を用いた再生治療(歯髄再生治療)が実用化され、2023年には、さらに象牙質の厚みを増す象牙質再生の技術も誕生しました。
これらの治療を行ううえで必須となる材料が「抜歯して捨ててしまう歯」です。
本来であれ捨ててしまう歯の中に存在する”歯髄組織”や”歯質”を有効活用して、自分や家族の将来を救うことができるというのは、素晴らしいことだと思います。
今後、これらの組織の使い道はますます増え、ご自身だけでなく、家族が活用できるようになる可能性もあります。
「抜歯する歯は捨てるものではなく、未来のために保管するもの」という時代が、すぐそこまで近づいているかもしれません。