セラミックの歯は虫歯になりにくい？治療のメリット・デメリットを解説します

「セラミックの歯は虫歯になりにくい」と聞いたことはありませんか？
そこで本記事では、セラミックの歯が虫歯になりにくい理由やセラミック治療を選択するメリット・デメリットを解説します。

セラミックの歯が虫歯になりにくい理由

セラミックは、温度変化や唾液にさらされても影響を受けにくい素材であることから、金属製やプラスチック製の歯に比べて、虫歯になりにくい特徴があります。
実際に、日本デジタル歯科学会の宮崎事務局長も、「材質の安全性から、世界の潮流はセラミックやコンポジットレジンに流れている」と発言しています。
引用：日本歯科新聞「事前座談会／デジタル技術は歯科医療をどう変えるか」

また、セラミックの歯は以下の観点からも虫歯になりにくいとされています。

• 歯垢が付着しにくい
• 形が変化しない

セラミックは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢が付着しにくく、形が変化しないため、健康的な口内環境を維持しやすい素材だといえるでしょう。

歯垢が付着しにくい

セラミックは、長期的に使用しても細菌が付着しにくいため、虫歯や歯周病のリスクが抑えられます。良好な口内環境が維持しやすいため、おすすめの素材です。

形が変化しない

セラミックは、口腔内で成分が溶け出すことがなく、変形しないのが特徴です。治療の際に適切な処置が行われていれば、細菌や汚れが溜まる原因となる段差や隙間が生じないため、虫歯になりにくいといえるでしょう。

銀歯がセラミックより虫歯になりやすい理由

歯の治療では、セラミックの他に銀歯が使われることもあります。
銀歯がセラミックより虫歯になりやすい理由は、以下の通りです。

• 表面に歯垢が付着しやすい
• 温度差で膨張・収縮しやすい
• 長期使用していると形が変形しやすい

銀歯はセラミックと性質が異なり、歯垢が付着しやすいといった理由から虫歯になりやすい特徴があります。

表面に歯垢が付着しやすい

金属である銀歯の場合、セラミックに比べて細菌が付着しやすいのが特徴です。細菌が付着し、増殖するほど虫歯のリスクは高くなるといえます。

温度差で膨張・収縮しやすい

金属は、温度の影響を受けやすい素材です。熱さや冷たさの影響で膨張・収縮することで、天然の歯との間に隙間が生じ、虫歯のリスクが高まります。

長期使用していると形が変形しやすい

金属は、長期間唾液にさらされていると溶け始め、変形します。すると天然の歯との間に隙間が生じ、そこに虫歯の原因となる食べかすや歯垢が溜まることで虫歯のリスクが高まります。さらに危険なのが、金属アレルギーを引き起こす可能性があることです。

セラミックのメリット

セラミックには、そのほかにも銀歯にはない以下のようなメリットが存在します。

• 審美性が高い
• 金属アレルギーの人でも使用できる
• 疾患のリスクが抑えられる

審美性、機能性が高く、金属アレルギーの人でも利用できる点がセラミックのメリットです。

審美性が高い

セラミックは、天然の歯に近い白さを持ちます。そのため、天然の歯と比較しても違和感のない歯が再現できます。

金属アレルギーの人でも使用できる

セラミックは金属を含まないため、金属アレルギーの人でも利用できます。これまで金属の素材でトラブルが起きていた人は、一度検討してみるとよいでしょう。

疾患のリスクが抑えられる

セラミックは、長期間使用しても変形せず、細菌が付着しにくい素材であるため虫歯や歯周病のリスクが抑えられます。

セラミックのデメリット

セラミック治療には、メリットがある一方で、以下のデメリットが存在します。

• 歯を削る必要がある
• 割れることがある
• 高額になりやすい

セラミック治療には、治療にあたって歯を削らなくてはならない、他の素材に比べて耐久性が劣るなどのデメリットがあります。また、自費診療であることから、自己負担額が大きくなる傾向にあります。

歯を削る必要がある

セラミック治療では、強度を担保する目的から、素材に厚みや体積を持たせ、歯を削る必要があり、他の素材と比べて削る量が多くなる傾向にあります。歯を削ることに抵抗がある人にとってはデメリットになるでしょう。

割れることがある

セラミックは、金属素材に比べると耐久性が劣ります。そのため、噛み締めなどの強い力が加わると割れてしまうリスクがあります。

高額になりやすい

セラミック治療は自費診療であるため、プラスチックや金属など保険診療の適用となる詰め物・被せ物より費用が高くなるのが特徴です。また、当然ですが治療対象となる歯の本数が増えるほど、自己負担額も増加します。

さらに、セラミックの耐用年数は一般的に10〜15年程度であり、再度治療が必要になることもあります。その都度、治療費がかかってしまい、トータルでの出費が高額になってしまうこともあるでしょう。

まとめ

セラミックの歯は、形が変化しにくく、歯垢が付着しにくい素材であるため、虫歯になりにくいという特徴があります。また、審美性が高い、金属アレルギーの人でも使用できるなどの点も大きなメリットといえるでしょう。

一方で、セラミック治療には、治療の際に歯を削る量が多い、他の素材に比べて耐久性が劣る、費用が高額になりやすいなどのデメリットがあります。

このためセラミック治療をする際は、メリット・デメリットを踏まえて、歯医者さんに相談のうえ治療を進めるとよいでしょう。